トラウマ・インフォームド・アプローチ

虐待やいじめ、或は苦境体験をした子どもたちをサポートするうえで、大切にしたい「トラウマ・インフォームド・アプローチ」というものがあります。

 

インフォームドとは、「~前提とした」「~ちゃんと理解した」の意味です。つまり、トラウマを”理解した”上での関わりを大事にするという意味です。

 

トラウマ体験をもつ子ども達をサポートするうえで、理解しておきたい代表的な心理行動面の特徴があります。

 

 

トラウマ体験を持つ子ども達への理解は、単にその影響面だけではありません。

 

その後の「成長過程」にも注目が必要です。トラウマ体験後、適切な環境によって守られ、周囲への安心と信頼を取り戻した子どもは、いくつかの成長過程をたどりながらも、新しい生き方(人間関係)を学んでいくことが分かっています。

 

 

トラウマ体験への特異的な反応(トラウマ反応)は、まず「怖がる」「おびえる」という反応に現れてきます(トラウマ環境を生き延びるための適応的反応の再燃です)。

 

ですが、そうした「怖がる」反応にも、周りが安全安心を提供するよう働きかけ続けると、次第に、子ども達は「試し行動」という新しい反応へ進むことができます。

 

同じように、「試し行動」に対して、しっかりと周りが応えることができると、子ども達の「試し行動」は「甘え行動」へ、さらには「再演」というより積極的なステージに進むことができます。

 

こうした成長段階を通して、子ども達は、最終的にトラウマティックな関係性(支配する他者‐支配される自分の関係)を修正していき、自分の中のトラウマ体験と距離を置けるようになったり(脱中心化)、それが再燃した時にも、「今は安全安心である」と確認できるになっていきます。

 

6つの主要原則

トラウマ・インフォームド・アプローチ(ケア)の原則があります。

 

1.安全

2.信頼性と透明性

3.ピアサポート

4.協働と相互性

5.エンパワメント、意見表明と選択

6.文化、歴史、ジェンダーの問題

 

詳しくは、下の資料からも閲覧できます。

ダウンロード
兵庫県こころのケアセンターHPからダウンロードできます
トラウマティックインフォームドアプローチ.pdf
PDFファイル 630.6 KB